どうもこんにちは。
古民家好きのリノベ屋のらいおんです。
最近、古民家を工事する際にでる廃材を利活用して何かつくれないか?と模索することにハマっております。
建具とかガラスとか良い味なんですよね・・・。
何十年、何百年という年季が入っている味は新品では出せないのでめちゃ貴重。
最近、古い家を見に行くと間取りをどうしようとかよりも、この古材をどう再活用しようか・・・とかそんなことばかり考えてしまいます。
違う視点をもつと物件調査がさらに楽しくなりますな。
この間、リノベーションの依頼で三重県某所の古民家を見に行ってきたんですよ。
中心地からは外れてはいるものの、駅が近く、なにより建物が良い。
すごく味のある建物でした。
みてくださいよ・・・サッシが木なんですよ・・。
ちょっと風が吹くだけでガタガタうるさいんですよ・・・。
でもそれが趣を感じさせるまである。
今回の依頼は、この空き家となった建物をどう活用しようか?というものである。
これを考えるのがまた楽しいのよね。
さぁ、皆さんならどう活用するか?を考えながら現地の様子をご覧ください。
※外観はプライバシーの関係で伏せます
■味のある古民家を現地調査
【玄関】
ちょっとだけリフォームがされていますね。
床にフローリングを張ってあり、よくわからないがアルミのドアが取り付けてありますな。
個人的にはこのツヤツヤした感じのフローリングが好きじゃなくて、もっと古ぼけた床であってほしかった・・・。
基本、内装では塗料も床材もパネル類もマットなものが好みであり、もっというと質感そのものの肌触りを感じる状態が好きである。
土壁とか木とか。
この床はめくって土間にしてしまうのもありですな。
ただ、土間を打つと費用がかかるので、例えば砂利を敷くとか。
【玄関別角度】
建具が立てかけてある!
あの建具はいいぞ・・・・めちゃくちゃ味があるぞ・・・・。
絶対に再利用しよう・・。
【大広間】
玄関入ってすぐこの大広間である。
畳が撤去されているっぽいですな。
昔の家は間仕切り壁がなく、襖や建具で区切られていますが、ここはそれらも撤去されているのか、だだっ広い空間がここにはありました。
このままでは薄い野地板一枚のみなので、床は何かしら作らないといけない。
普通に考えれば床を組んでフローリングを張るところだが・・・畳を全面に敷くのも良いかも。
【縁側】
おいおいおいおい・・・風情の塊だぜ・・・。
このモヤモヤしたガラスがまた良いのよね・・・。
これをアルミサッシにするなんてことは考えたくないでござる。
この縁側に座って景色を眺めながらスイカを食べるなんて最高じゃない。
【大広間別角度】
玄関から反対側の角度からの大広間。
左手にみえるのが玄関である。
この写真からわかるように玄関から入ると間仕切り壁もなく、この広い空間に直結する。
【台所】
玄関から入ってまっすぐ進むと、これまた間仕切り壁などなく台所に直結。
ここもまた風情がある。
【キッチン】
おそらく30年以上前のキッチン?ですが、とても綺麗な状態。
ここでポイントなのは『お湯が通っていない』ということ。
キッチンシンク上の瞬間湯沸かし器がその証拠である。
僕は古い趣のある空間が好きですが、必要最低限の設備は整えたい派です。
お湯は新設してサーモスタット混合水栓にしたいですな。
【併設された倉庫】
和建築の風情を少し妨げるように鉄骨の倉庫が併設されていました。
ふむ・・・邪魔だな・・・。
でもこれを壊すのにもそれなりに費用がかかるし、なによりこの倉庫内にトイレがあるんだよな・・・。
倉庫を壊そうと思うと解体費用+トイレを屋内に新設する費用がかかるので、結構費用がかかってしまう。
和建築との雰囲気はアンマッチだが、現実的に考えるとうまく共存できるような計画が必要になってきますなこりゃ・・・。
【階段】
古民家名物“急な階段”である。
これもまた趣があって僕は好きなのですが、人を呼んで商売しようとなると施設管理者として安全を確保する責任が伴うので、最低限手すりは付けてあげないといけませぬな。
【2階】
2階に上がるとこんな感じ。
右側はなんだろう・・・土壁が剥き出しで物置部屋のよう。
ただ、この雰囲気が実は一番好き。
【物置?】
ほら・・なんという風情のある空間だこと・・・。
土壁、剥き出しの梁、木サッシ。
全てがパーフェクト。
廊下に塩化ビニール系の床材が貼ってあるのがあまり好きじゃないですが・・・。
これをめくって全面合張り仕上げにするのも良いかもしれない。
■この古民家をどう活用するか
といった感じで全体、古き良さが残っている民家といった感じ。
ここまでみて、どう活用しようかと考えていましたが、住宅賃貸としては活用しづらいだろうなと思いました。
なぜなら、冬にめちゃくちゃ寒いからですね・・・。
木サッシが全体の雰囲気をグッと良くしてはいたのですが、隙間もあるし、風が少し吹けばガタガタするしで、定住する場所としては古民家ってあまりおすすめできないんですよね・・・。
お金をかければ当然住みやすくはなるのですが、予算が決まっているために大きな改修はできないのである・・・。
中途半端に断熱工事やサッシ工事をしたところでお金かけた割にはそこまで住みやすくないし寒いな・・・という環境になるのがオチである。
ならば定住する賃貸という選択肢は消える。
となると・・・次に頭に思い浮かんだのが宿泊施設である。
古民家を旅館にしたことがあり、現在進行形で運営をしているので、旅館業をとる流れも宿泊募集する流れもわかるのは僕の強み。
そう考えた時に『ペットが泊まれる宿』ってそういえば少ないなぁというのはずっと思っていました。
ホテルでも旅館でもペットNGのところは多いですよね。
他のお客様にもご迷惑になる可能性もあるし、清掃も通常よりかかるためオーナー側としてはリスクの高い客層になりがちなためにNGにしている宿が多いのだろうなと。
ただ、今回のこの古民家、一棟まるっと貸し切ることができるし、壁も少なく広々している。
外観の写真は載せませんでしたが、庭も広くて駐車場も3台くらい停めてもなお、ドッグランとか作れるほどスペースがあるのです。
のどかな町(村?)だし、ペット好きにはたまらん空間にできるやないか!!!ということでこの古民家はペットと泊まれる宿になる予定です。
限られた費用の中で果たしてどんな宿になるのか・・・!!??