こんにちは♪ ガングロ不動産です♪
S君に2千万円の大規模修繕で相見積もりをお願いした所までが前回のお話。今回はその続きを書いていきたいと思います♪
2千万円の大規模修繕が必要な物件というのは、業者さんからのご紹介で購入することになった物件です。
「築30年、RC造5階建て、EVあり、2LDK、20戸中14戸空室、満室時利回り15%、(ただし空室率70%)」
私の大好物なスペックです。この物件は持って良し、売って良しの物件になるに違いないと思い、リフォーム代を含めたオーバーローンで購入予定でした。
S君は塗装屋さんですが、大規模修繕工事に欠かせない他業者(内装屋さん、足場屋さん、大工さん、設備屋さん、電気屋さん、清掃屋さん)の全てが友達に居るから安く早く施工出来るし、出来ない工事はないと話してくれました。
私は不動産再生系の大家ですが、恥ずかしながら自分の施工チームというものを持っておらず、安価で仕事が早い施工業者さんを以前から探していたので、S君は私が求めていた理想の業者さんだと感じました。
■S君から届いた見積もり
数日後、S君から相見積もりが届きました。
S君「外装工事はまだですが、先に内装工事費用が出たのでお見積りをお送りします!単価をしっかり見て頂くと自分達が安いことを実感していただけると思います!よろしくお願い致します!」
見積書に目を通すと、なんと他の業者より150万円安い850万円でした!!
私「S君いいねー!安いよ!S君に内装工事お願いしちゃう!外装工事の見積もりも楽しみにしているからね!」
S君「喜んで頂けて良かったです!外装工事も絶対安いので楽しみにしててください」
数日後、S君から外装工事費用の見積もりが届きました。
見積書に目を通すと、なんと他の業者より300万円高い1,300万円でした。
私「残念ながらS君の見積もりの方が高かったよ。今回は予算がないから外装工事だけは他の業者さんに依頼するね。S君塗装屋さんだから期待してたんだけど残念だったわ。」
S君「え、高かったですか?!ぶっちゃけいくら高かったですか?」
私「300万円」
S君「えぇ~300万円?!あの規模の工事を1,000万円で見積もり来たんですか?!
ぶっちゃけ、その金額で、俺らが使ういい塗料を使って3回塗りでその金額は無理ですよ!」
私「そうなの?」
S君「他の業者さんは塗料は何を使っていますか?多分アクリル系のツヤあり塗料じゃないですか?それは安いけど10年経たずに劣化しますよ。それに、これは言いたくなかったのですが、その業者、一回飛んでまた復活した業者ですよ」
知らなかった情報が飛び出して、私はビックリしました。
S君「実はその業者の名前を見たことあるなって思って気になって調べたんです。今回施工中にまた飛ぶ可能性ありますし、下塗り飛ばして2回塗りで仕上げる可能性もあります。収益物件って施主が住んでいないから“色付けとけばいい”っていう業者は多いんですよ」
なんだか、すごい説得力がある気がします。
S君「俺ら、下請けで大手の現場入って、そういうの沢山見てきました。その業者に頼むなら俺が塗料を剥がしてちゃんと塗っているのか検査してもいいです。でも2回塗りしかしていないと俺が指摘したところで、その業者は3回塗りしたと言い張るでしょうね。ガングロさん、せっかく出会ったので悪い業者に騙されて欲しくないです」
私「え?そんな風に言ってくれてありがとう」
S君「俺、もう一回ギリギリまで費用削ってみて再度見積もりを出しなおしてあげます。せっかく足場架けて工事をするのだから、3回塗りでちゃんとした塗料でしっかりやりましょう。そしたら15年は確実に持ちますから」
S君の熱弁に、私も不安を掻き立てられました。せっかく1千万円かけて外装工事するのに10年も経たずに劣化するのは耐えられない。S君ならきっと完璧に塗装してくれる。S君が再見積もりを提出してくれるのを待ちました。
数日後、S君はコレが本当にギリギリですと見積もりを再度提出してくれました。150万円安くなっていました。他の業者よりは150万円高いけど、確実に施工してくれるのならと、私はS君に内外装の両方を依頼することにしました。
トータルの金額は前に見積もりしてくれた業者と結局変わらないけど、施工が確実な方がいいに決まっています。私はすっかりS君を信頼して工事契約を結びました。
■工事が始まって気づいた自分のミス
物件購入の翌日から早速、工事が始まりました。S君が塗装をするんだろうと思っていましたが、現場ではS君の下請け業者が塗装工事をしていました。『物件に住み込みで仕事します』と話していたのに話が違うなあと少し気になりました。
でも、きちんと工事は進んでいたので気にしないことにしました。ものすごい早いスピードで内装工事も並行して行われました。私は、仕事が早くて安いS君のチームに巡り合えてよかったなあと思っていました。
工事開始から約1か月後の中間金を支払う頃には、工事の終わりが見えてきている状況でした。うまくいけば残りは10日ほどで工事が完了するということでした。ところが、全部屋、部屋の中を見ていて気づきました。
「あれ?洗面台と浴室乾燥機は全部屋交換って依頼したのに、14戸中6戸しか交換されていない。建物南側の面も塗装してくれるって言ってたのに、塗装されていない。おかしいな・・・」
私がそれを指摘すると、S君は「それは見積もりに入っていないから追加工事になります」と言います。私は見積もり内容をしっかりと確認せずに工事を発注していた事にこの時、初めて気づきました。
私が確認していなかったからコレは私のミスだと思い、泣く泣く追加工事を依頼しました。他にも、和室から洋室化した部屋は押し入れをクローゼットにしたり、全部屋にCFシートを張ることにしたり、巾木を全部屋交換したりと、諸々の追加工事を発注しました。追加工事は見積書なしで発注しました。
S君を信頼しきっていた私は、この間、他の物件の外壁塗装も依頼しました。他の業者さんで600万円で見積りが来ていましたが、S君は最低限の見積もりで300万円と言いました。
最低限の見積もりとは、現状でわかっている劣化部分の修繕は見積書に入っているけれど、足場を掛けないとわからない劣化部分はこの見積もりには含んでいないという意味です。
S君「劣化している部分があれば追加工事という形にした方が明らかに安いんです。だって、追加が出せない現場なら、初めから高く見積って追加を出さないようにするしかないじゃないですか?後で、ここのボードが劣化していたから追加って言えないでしょ。そういう事です」
私はなるほど、と思いました。
S君「足場を先に掛けて建物の劣化調査をして、劣化箇所をハッキリとさせてから見積もりを出すという場合もありますが、足場を先に頼んだりでお金がかかるやり方なんですよね。だから、最低限の見積もりで後て追加工事の方が明らかに安いんですよ」
私は「S君がそう言うのならそうします。安く見積もりしてくれてありがとう」と答えました。
さて、もうピンと来られている方もいらっしゃいますよね?
S君が言う「追加工事」。
コレが最大の落とし穴だったんです。
ああ、すみません、また今回も終わらなかった。
続きはまた次回に♪ガングロでした♪