正式名称が「ONE FUKUOKA BLDG.」に決定
西日本鉄道が天神一丁目において開発を進める「福ビル街区建替プロジェクト」の「(仮称)新福岡ビル」の正式名称が、「ONE FUKUOKA BLDG.(ワン・フクオカ・ビルディング)」(略称:ワンビル)に決定、2024年末竣工、2025年春開業が予定されている。
ワンビルは渡辺通りと明治通りに面した天神一丁目の立地で、福岡市が推進する再開発促進策「天神ビッグバン」の中心に位置する。
西日本鉄道の本社オフィスが入居していた福岡ビル、都市型ファッションビルとしてトレンドを発信し続けていた天神コア・天神第一ビル(天神ビブレ)の跡地一体開発として、建設工事が進捗中。
外装デザインは六本木ヒルズ森タワーやCOREDO日本橋などで実績がある Kohn Pedersen Fox Associatesが手掛け、高さ約97m、地上19階・地下4階建て、延べ床面積約14万7000平方メートルの規模。
地下2階~地上4階は商業施設、5階は食堂、6・7階はスカイロビー、8階~17階はオフィス、18~19階はホテルが入る。
「創造交差点~MEETS DIFFERENT IDEAS~」を開発コンセプトに、商業・ビジネス・ホテル・カンファレンスなど多様な機能を網羅する大型複合ビルとなる予定だ。
5階は西日本鉄道直営の食堂を開設。調理は福岡市内でイタリア料理店を運営する企業に委託。
「地産地消」「旬産旬消」を意識した食材や、さまざまな理由で市場に出荷できないなどの「もったいない」食材を積極的に活用。基礎調味料以外全て手づくり、出汁やベーコンなども手づくりで「身体にやさしく美味しい」食事の提供を予定している。
天神エリア最大級となる約200席は、「天神ビッグバン」のオフィスビル増加による、天神ワーカーのランチ需要にも応える。
夕方以降は「アペリティーボ」スタイルでのサービスを提供し、友人や同僚とのカジュアルなコミュニケーションを楽しめる場としても機能する。
6階のスカイロビーには「ONE FUKUOKA CONFERENCE HALL」がオープン予定。最大440名収容可能なテラスホールをはじめ、最大230名収容できる会議室が3室配置。
全ホール・会議室が窓に面して外気・外光をとりこめるなど最新のコミュニケーションホールとして設計され、会議・セミナー・展示会といった多目的な利用に対応し、ビジネス発信やコミュニケーションの場として活用できる。
7階には、 CIC(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市)と西日本鉄道によるイノベーションキャンパス「(仮称)CIC Fukuoka(シーアイシー フクオカ)」が開設予定。
スタートアップ向けのワークスペース・支援プログラム・コミュニティを提供する場所として、東京に次ぐアジア2拠点目となる。
約140室のプライベートオフィス、約40席のコワーキングスペースの他、入居者が共有利用可能な会議室やキッチン・カフェスペースなどの設置が予定されている。
また、世界の各都市に展開・運営する「Venture Café」の新たな支部である「(仮称)Venture Café Fukuoka(ベンチャーカフェ フクオカ)」をオープンし、誰もが気軽に参加できる交流・教育プログラムを開催していく。
2024年2月には福岡市内にてプレオープンイベントも実施され、福岡・九州地域で活動するスタートアップの支援やコミュニティとの連携を生み出す場所として、2025年春の本格始動が期待されている。
8階~17階のオフィスフロアは1フロア約1400坪の広さ。株式会社九電工などの入居が予定されている。
9階の一部と10階には西日本鉄道の本社オフィスの移転が決定。約700名が勤務する西日本鉄道のオフィスは、「X Terminal(クロスターミナル)-“ときめき”が交差するオフィス-」がコンセプト。
「場所」に縛られない働きやすい環境の構築に加え、来客ゾーンは外部とのコラボレーションを創出するイベント等でも活用される。
最上階となる18階と19階は「One Fukuoka Hotel(ワン・フクオカ・ホテル)」。和の要素をデザインに取り入れた41室は全室バルコニー付き。テラス付サウナや中庭に面したスパ、ラウンジやルーフトップバーなどを併設。
人と人との出会いや交流といった体験そのものが、ホテルを訪れる目的となるハイクオリティなライフスタイル型ホテルが予定されている。
明治通りと渡辺通りに面した「ONE FUKUOKA BLDG.」は、まさに天神の顔とも言える立地。2025年春の開業によって、ますます活性化する天神エリアが楽しみだ。
取材・文:
(たけいやすのり)