今日も、大家のプーさんのコラム連載55回目をお読みいただき、ありがとうございます!今回のコラムでは、「売りに出していないアパートが、勝手に売れてしまった話」というテーマでお話しいたします。
■ 売りに出していないアパートが、勝手に売れてしまった!
まず、結論から申し上げますと、売りに出していない物件が、相場よりも高い価格で売却されるという出来事がありました!笑
私が保有する850万円のアパートについて、ある日、仲介業者から「売らないか?」とのお声がありました。どんな物件であれ、売るかどうかは価格次第です。また、それが信頼できる仲介業者との取引であるなら更に嬉しいことです。
「いくらですか?」と尋ねると、「1,710万円でどうですか。この金額なら今日中にまとめられると思います。お付き合いのあるお客さんの希望条件が前にプーさんに買ってもらったこのアパートに近かったので、すでに話を進めて現地も見てもらいました」と言います。
「売りに出していないのに、現地まで見に行ってくれたのですね、、、!」とは言わず、私は即座に、「ありがとうございます。それでは売却しますので、よろしくお願いします!」とお伝えしました。
■ 850万円で購入したアパートの内容
このアパートは、今回、売却の話を持ってきてくれた仲介さんから850万円で購入しました。購入から1年半が経過したもので、以下のような特徴があります。北関東ではよくあるアパートですね(笑)
入居状況:満室(購入時の表面利回りは27%ほど)
間取り:2DK×4戸
駐車場:敷地内5台
築年数:30年程度
このような条件だったので、紹介されてすぐに購入を決めました。売主はご高齢で、早くに決済したいというお考えだったようです。また、売却希望額がなぜか低かったようです。端的に申し上げると、「相場を把握していないご高齢の売主様」でした。
そして、先ほど書いたように、先日1,710万円で売却されました。利回りにすると13.5%での売却です。私は所有していた頃、「数年後に14〜15%の利回りで売れるかな」「そのくらいが相場かな」と予想していました。つまり、相場より高く売れたことになります。
■ 相場より若干高く売れたが、本来は迷う判断だった
この物件について、私は売却を迷いました。その理由は以下の3点です。
・ 売却粗利は700万円超になるが、満室が続けば年間230万円程度の家賃が入るため、4年弱保有すれば売却粗利と並んだ可能性が高い
・ 現金があるので、1,700万円が戻ってくるメリットは特に高くない
ただ、「4年弱保有すれば」といっても、その間に突発的な修繕や退去がないとも限りません。さらに、4年後には市況が変わっていて、売却額が著しく下がる可能性もあります。
数字だけを見ると、売るべきか、売らない方が良いのか、迷うところです。
ただ、今の私は最終的に自分が出した判断について、「100%正しかった」と思っています。なぜなら、そうすることで、仲介さんに喜んでもらえたからです。
どっちが正解かわからないくらいの違いなら、どっちを選んでもいいのです。それなら私は、物件を紹介してくれる仲介さんとの関係性が良くなる道を選びます。
そもそもこの物件を保有できたのも、今回の仲介さんのおかげです。このアパート単体の投資としては100点の判断ではないかもしれませんが、広い視野で「事業」を考えた時には正しい判断であった、そんな取引でした。
その証拠に(?)、その後、同じ仲介さんからアパートの購入のお話をいただきました。今回のアパートを売却したからまた一緒に仕事をさせていただけたのかもしれません。
人それぞれ考えは違うと思いますが、私にとっての不動産投資は一回こっきりの勝負ではなく、全ての取引が連綿と続くものです。目の前の取引が、未来の取引を連れてくる。これからもそんな気持ちで取り組んでいきます。