「無印良品の家」を展開する株式会社MUJI HOUSE(以下、「MUJI HOUSE」)は、2023年3月より開始している「ゼロ・プロジェクト」※について、プロトタイプが完成し、2024年5月より、完成したプロトタイプで試泊してくれる人を募集する。実証実験参加者の意見を反映し検証を行った上で、2025年の実用化を目指していくという。
※「ゼロ・プロジェクト」について
エネルギーや生活水などを既存のライフラインに依存しないモバイルユニットを移設・組み合わせることでインフラの整わない場所でも自由自在に暮らすことのできる移動式住宅の実証実験を2023年3月より行っている。
■インフラゼロでも暮らせる家の試泊 実証実験 概要
目的:実際に生活いただくことで課題や要望を収集し、2025年の実用化に向けて精度を高めるため
概要:試泊してくれる人を特設サイトで募集し、選考後、1泊~3泊程度実際に試泊してもらい、住み心地や仕様・設備に関する課題・要望についてレポートしてもらう。
期間:3つの期間を設けて募集(次回は5/31から募集開始)。 ※応募者多数の場合は選考して選定
第一ターム 試泊日:5月 3日 – 5月27日の週末 申込日:4月18日 – 4月24日(終了)
第二ターム 試泊日:7月12日 – 8月5日の週末 申込日:5月31日 – 6月23日
第三ターム 試泊日:9月13日 – 9月30日の週末 申込日:8月19日 – 9月1日
場所:シラハマ校舎(千葉県南房総市白浜町滝口5185-1)
■インフラゼロで暮らせる家 プロトタイプについて
4つのゼロの実現に向けて、オフグリッドインフラで新しいくらしを創造するINNFRA株式会社やクリーンなエネルギーをつくる未来の屋根「Roof-1」を開発する株式会社モノクロームと連携し、プロトタイプの開発を進めてきた。
1.インフラ・ゼロ
エネルギーや水を自ら生成する仕組みをつくることで既存のインフラに頼らない家に
2.カーボン・ゼロ
太陽光発電や廃棄物発電などの再生可能エネルギーを活用することで、温室効果ガスの排出を実質ゼロに
3.リビングコスト・ゼロ
取得したエネルギーの効率的な利用、廃棄・排泄物の処理コストをかけないことにより、生活に必要なエネルギーコストを実質ゼロに
4.災害リスクゼロ
生活インフラの自給自足とどこにでも移動ができる機能を備えることで、自然災害のリスクを回避
「ユーティリティ棟」と「リビング棟」2つのユニットを組み合わせた、車で運べるモバイルハウスとなっている。
プロトタイプは、公道を走行できる安全性を備えており、かつ道路運送車両法で定められている車両(自動車)となる。そのため、自由な場所に牽引することが可能。また、土地側のライフラインと接続しないため、建築基準法の適用を受けなくてもよい仕様となる。
■ユーティリティ棟:蓄電池や水循環システム、キッチン、シャワーなどを設けたユニット。
○壁&屋根一体型太陽光パネル
プロトタイプは南側壁面全体を使用し、壁と屋根一体型により、太陽の位置が低い朝方でも十分に発電ができることが実証されている。2人暮らしの場合、最大で約3日分の電力を蓄電することが可能となり、蓄電容量は、スマートフォンなどで確認することができる。
○水循環システム
生活雑排水を浄化・循環利用する独自システムを採用し、2人暮らしで1日あたりに必要な水量約200リットル分のタンクを備えており、使用した排水は浄化され再利用が可能。
○温水シャワー
水循環システムで浄化した水を再利用。電気ヒートポンプ式給湯器エコキュートを標準装備し、太陽光パネルで発電した電力を使用しお湯を利用することができる。
○キッチン
太陽光パネルで発電した電力を使用し、IHクッキングヒーターの他、電子レンジやケトルも使える。またシンクを備え付けており、水循環システムで浄化した水を使用することができる。排水した水は再び水循環システムで浄化され、再利用することができる。
○衛星通信によるWiFi環境
屋根に固定設置したアンテナで電波を送受信。安定的なWi-Fi環境でいつでもどこでもインターネット環境が利用できる。
■リビング棟:リビングスペース、バイオトイレなどを備えた生活のためのユニット。
○快適な室内
リビング棟の室内は約12.15m2(3.68坪)で2人でも快適に過ごせるスペース。無印良品の脚付きマットレスなら2台並べることができる。また、屋根一体型の太陽光パネルと蓄電池を搭載しており、エアコンや照明などの家電を自由に使うことができる。
○高断熱・高気密仕様
「無印良品の家」の断熱の基本的な考え方をプロトタイプでも採用。気密性を高め、建物の外を高性能な断熱材で包み込むことで室内の隅々まで同じ快適温度に保つことが可能になる。
○バイオトイレ
水を使わず、微生物によって処理するバイオトイレを採用。電気制御により分解性能と消臭性を高め、排泄物や生ごみ、トイレットペーパーも分解可能。1日に約20回程度使用することができ、2人暮らしでは問題なく生活することができる。
【参考情報】
◎「インフラゼロでも暮らせる家」ティザーサイト
◎「ゼロ・プロジェクト」開発記
ゼロ・プロジェクトの進捗状況についてコラムを随時更新。
◎「インフラゼロでも暮らせる家」Youtube
商品開発責任者がプロトタイプについて解説した動画
健美家編集部