自ら大家としての経験も有する、不動産・相続トラブルに注力する弁護士の山村が、不動産トラブルを予防するために、実話を基にした解決事例をご紹介します。
1、損害賠償の考え方の基本
今回から、実際にトラブルになってしまった場合の「損害賠償」について、裁判所の考え方の基本を説明していこうと思います。
裁判所というのは、個別の事件に対して、個々の裁判官による裁量によっても判断を出していくので、かなり柔軟に裁判例を出している印象があります。
もっとも、一般の方の感覚からすると、「 なぜ、こんなに被害を被っているのに、損害賠償を認めてくれないの? 」という疑問が生じる場面も多いと思います。まずは、大筋の考え方をみていきましょう。
2、差額説とは!?
(1)裁判所の考え方の基本は「 差額説 」
裁判所が損害賠償額を考える際に、基本に置いている考え方は、「 差額説 」だと言われています。差額説とは、相手の債務不履行がなければあったであろう状態と、現状との差額を賠償すべきだという考え方です。
本来あるべき姿に回復する部分について、賠償すべきだという考え方です。この言葉だけ聞いていると、非常に合理的な考え方にも思います。も...
1、損害賠償の考え方の基本
今回から、実際にトラブルになってしまった場合の「損害賠償」について、裁判所の考え方の基本を説明していこうと思います。
裁判所というのは、個別の事件に対して、個々の裁判官による裁量によっても判断を出していくので、かなり柔軟に裁判例を出している印象があります。
もっとも、一般の方の感覚からすると、「 なぜ、こんなに被害を被っているのに、損害賠償を認めてくれないの? 」という疑問が生じる場面も多いと思います。まずは、大筋の考え方をみていきましょう。
2、差額説とは!?
(1)裁判所の考え方の基本は「 差額説 」
裁判所が損害賠償額を考える際に、基本に置いている考え方は、「 差額説 」だと言われています。差額説とは、相手の債務不履行がなければあったであろう状態と、現状との差額を賠償すべきだという考え方です。
本来あるべき姿に回復する部分について、賠償すべきだという考え方です。この言葉だけ聞いていると、非常に合理的な考え方にも思います。も...
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