企業でも消費者でもない「大家」って何者？

■昔の大家は強かった？

「 また訳の分からんタイトルをつけて！ 」とお叱りを受けそうですが、実際のところ、我々大家さんの「 立ち位置 」って微妙・・・というお話を、今回はさせていただきます。

さて、賃貸業の権利義務について、一番ベースになる法律が「 借地借家法 」です。現行の【 新法 】は平成3年に制定されましたが、明治42年制定の【 旧法 】も依然有効とされています。

この旧法は、江戸時代から続く
【 強大な経済力をもつ大家さん　＞　店子さん 】
という力関係を変え、「 絶対的店子さん有利 」とすることを目的に作られました。

でも、そんなに大家さんの力って、絶大なのでしょうか？
そんな絶大なパワーを持つ大家さんって、実際にはそんなに多くないのに・・・、と思うのは私だけじゃないでしょう。

確かに、過去には、相対的には大家さんの力の方が強かったのは間違いないと思います。部屋は何もしなくても埋まりましたし、入居者さんを選ぶ権利も大家側にありました。

特に、昭和30-40年代の高度成長時代は、日本全体が、
【 大量消費の流れに乗り、商品を供給する側の大企業（ メーカー ）が消費者の風上に立つ 】という構図がベー...